アキレスと亀のパラドックス 解決へのアプローチ方法 その1

アキレスと亀のパラドックスとは?

アキレスと亀は、アキレスという速く走れる人と、ゆっくり前進する亀のパラドックスのお話しです。

このアキレスと亀がある日、徒競走をすることになりました。ただし、スタート時に亀はアキレスより前方のA地点にいるというルールです。

徒競走が始まると、アキレスがA地点にたどり着いたとき、亀はアキレスより少し先のB地点に進んでいます。そして、アキレスが今度はB地点にたどり着いたとき、亀はアキレスより少し先のC地点に進んでいます。

このようにして、いつまでたってもアキレスは亀に追いつくことができない、というお話しがこのパラドックスの内容です。

アキレスと亀のパラドックス 解決へのアプローチ方法 その1

近年、量子物理学の世界で、ループ量子重力理論という説が唱えられるようになりました。

その理論によれば、時間と空間は連続的のようで、実際には離散的にしか存在していないのではないか、といわれています。

この世は原子でできており、さらに細かく分けると量子によって構成されています。

この量子は空間的に連続的ではなく、離散的にしか存在しない可能性があるし、そうすれば量子力学の世界でいろいろと説明がつくということです。

また、時間についても、これ以上分割できないという限界点があるようで、その値はプランク時間と呼ばれ、5.391×10-44s(秒)と言われています。

時間と空間の位置が離散的であれば、アキレスが亀に追いつくであろうギリギリの地点の付近で、これ以上分割できない空間と時間があるために、次の瞬間にはアキレスは亀に追いつくか、追い越しているというわけです。

この世は空間と時間が離散的という説が正しいとすれば、アキレスと亀のパラドックスを延々と続けると、ある地点で離散的に不可能な場所に突入し、量子の物理的な位置は数学的に収束するはずの位置に向かうことができません。

離散的に不可能な場所に突入した時点で、現実世界ではありえないことになりますし、時間が離散的ですので、収束するはずの位置は、離散的な時間によってすぐに超えてしまいます。

なので、この宇宙の現実世界では、アキレスは亀を楽々と追い越すことが出来ます。

これがアキレスと亀のパラドックスの解決方法のひとつです。

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